知恵も理解力もついてきた4歳女子。
そのぶん自分の思い通りにならない時の言い訳や言い分も、
いっちょまえになってきました。
そんな彼女を”その気”にさせる、付き合いかたをご紹介します。
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ハミガキや保湿クリームを塗るのを、毎回ふざけてじっとしないむすめ。
そんなむすめに対して、こちらの声もだんだんと低く強くウーハーが効いてきます。
(ワニは目隠しするとおとなしくなる──。)
今でも不思議なんですが、なぜかこのタイミングでこの雑学を思い出したんですよね。
ふと横を見ると、ちょうどよいサイズのおしぼり。
「はい、ちょっとお目もとにおしぼりを乗せますねー。」
まるでエステティシャンがふるまうような動作と口調で
おしぼりを乗せてみました。
むすめは「えへへなにこれ」と言いながらも、まんざらでもないご様子。
「それでは、これから歯のお掃除をしていきますねー」
「いちごの味がするおくすりを塗っていきますねー。(子ども用ハミガキ粉のこと)」
「もし痛かったら、すぐに言ってくださいねー。」
「つぎにお肌をしっとりと保つ、保湿クリームを全身に塗っていきますねー。
すこしヒヤッと冷たいと思いますが、ガマンしてくださいねー。」
「あ、じっとしてくださいねー。」
エステティシャンが極楽の世界へいざなうかのように、いちいちやさしい口調。
蛇足のような前置きのうんちく。アンド、ソフトタッチ。
これが効きました。
…はい。…はい。つって、よそ行きのかわいい声で返事してくれて、
思わず笑っちゃうくらい従順。
上から覗きこみながら、おいおい、これエステ行き慣れてない私そっくりやないか。
DNAのつかいどころ、そこ?生命神秘すぎる。
一度もエステの施術なんて見たことないはずなのに、
きちんとお客様になっていてびっくり。
目元に乗せてもらうおしぼりに、こんな意味が隠されていたと知って、
すこし複雑ではありますが。(笑)
さらにあともうひとつ、うれしい相乗効果も。
エステティシャンになりきることで、こちらの口調も動作も丁寧にならざるをえず、
いつもの(また怒っちゃった…)というママ側の「怒る→自己嫌悪」の悪循環も
抑止できるのです。
もしおしゃまな女の子に手を焼いたら、ぜひエステサロンを開店してみてください。