おなじといっしょで不動の一番人気記事は、鉄フライパン turk(ターク)のレビュー記事でして。
執筆当時は、購入たったの10日目でした。
今回は、1年半以上使ってみての続編を描いてみたいと思います。
- 言うても重いんやろ...
- 高いな...
- 自分には使いこなせなかったらどうしよう...
そんな後ろ向きな理由で買うのを躊躇してるあなたへ。
こっから先は、わたしの産後の全体重乗っけて turk(ターク)をパワープッシュします。しかも長い。買うのが嫌だ、まだ迷ってたい人は、引き返すことをおすすめします。
ちなみに turk(ターク)とはこんなフライパン。
タークを初めて知った方は、さきほどの前回記事とあわせてAmazonでレビューも一読していただければ、基礎情報やその人気ぶりもわかっていただけるかと。
こちらのリンクはバリッバリのアフィリです。玄関マットみたいなもんだと思ってようこそ踏んでください。
1年半以上使ってわかったこと。
びくともしない、頼もしい鍋肌
turk(ターク)を知る前は、ずっとテフロンフライパンだったわたし。
軽いし、こびり付きにくいし、安いものでは千円前後で手に入る、ダメになったら近所のスーパーでも買える。たしかにいいところもたくさんあるんです。
でもね turk(ターク)を知れば知るほど、鉄フライパン圧勝!そう思ってやまない。
テフロンなどのコーティングフライパンでご法度の数々。
「強火禁止」「空焚き禁止」「鋭利なものでこするの禁止」「急激な温度変化禁止」。
あらためて書き出してみるとすごい、がんじがらめの禁止事項。しかもそこまで丁重に丁重に扱わせながら、コーティングの寿命1〜3年とかいうんだから、まるでデリケートな小動物のよう。大丈夫?ワシントン条約で規制しなくって。
鉄フライパンを知る以前はわたしも一切疑うことなく律儀に守ってたのですが、振り返ってみるとこれらのルールが料理の幅をかなり狭くしてたように思います。
たとえばですよ。「鋭利なものでこすってOK」これができるだけで、以下のようなメリットが解放されるわけです。
- 天津甘栗を直接ざらっと入れて煎って温め直す。(煎り直すとすごくうまいよね)
- フライパンの上に鋭利なものを重ねられても穏やかな気持ちでいられる。
- 「やば!具材でかすぎた!」とフライパンに入れた後に気づいた時でも、直接キッチンバサミでじょきじょきヤレる。
洗剤で洗ってもさびない事実
鉄フライパンを調べたことのある人なら、こんな言葉を一度は目にしたことがあるんじゃないでしょうか。
「洗剤でゴシゴシこすり洗いは厳禁!せっかく出来た油膜が落ちてしまいます!」
鉄フライパン初心者が思わずたじろいでしまいそうなこの御言葉は、鉄フライパン界のお局たちからのアドバイス。
わたしも最初は、びびって毎回お湯洗いだけで済ませていたのですが、ある日ミートソースを作った直後にホットケーキを焼くことになり、お湯では落ちない頑固な匂いや汚れが気になりまして。
サーセン......!会ったこともないお局たちになぜか謝りながら、やむを得ず洗剤で洗ってみました。
......あれ?全然大丈夫やん。むしろ洗剤で洗うとすっきりして気持ちいい!
というわけで汚れがひどい時、中華鍋用の「ササラ」でガシガシとこすって大まかな汚れを取った後、洗剤をつけたスポンジで洗うというのが今現在のスタイルです。おかげで、肉に魚に野菜にスイーツ、揚げ物。毎日毎食ヘビロテしてますが匂いも汚れも気になりません。
メンテなんてないに等しい。
鉄フライパンは使用後のメンテが必須!と思ってたんですが「(かなり少なく見積もっても)3日に1度はフライパンを使う」級の台所戦士の我々には、まず必要ありません。
洗った後は油を塗るの?いらんいらん。
使った後すぐ洗わないといけない?他の洗い物のついででええよ。
最近では、洗った後ガス火にかけて水分を飛ばすことさえサボりがちな我が家ですが、今のところ錆びる気配はありません。
※購入後の一番初めにする「焼き慣らし」は必須。
とはいえ一生ものの turk を使うならそれこそ一生で一回ぽっきりのこの作業。30分もあればできますし、世間で言うてるほど大変ではなかったです。
鉄フライパンは、こびりつく?は本当か。
まず、こびりつくことってそんな悪なの...?という気づき。
今までこびりつくことを怖がってたのはテフロンだったから。
だって、こびりつきをヘラでゴシゴシ取るとテフロンまではげちゃうんだもん。
でも鉄フライパンにははげるものなんてなし!
ノーコーティングの強み、ここに極まれり!
とんがった強靭なステンレス製ヘラで縦横無尽にガッシガシこすっちゃってオールOK!
たぶんテフロンフライパンの人は、この行為を想像するだけで卒倒しちゃうんじゃないでしょうか。
鉄フライパンの使い手となったわたしは、今や「こびりつくけど何か?」といった余裕の面持ち。なぁに、かえって旨味が出るってもんよ。
とはいえ、 turk でのこびりつきをできるだけ防ぐためのポイントはこの2点。
- ちゃんと煙が出るまでよーく熱してから食材を投入すること
- 油をけちらないこと
強火解禁されたフライパンのポテンシャルを見よ
テフロンって強火がだめじゃないですか。フライパンなのに。
そのため、テフロンフライパンでステーキを焼くとせっかくのお肉から肉汁が流れ出ちゃって、ぐつぐつと焼き煮状態になっちゃいます。
それにひきかえ、強火どんとこいの鉄フライパン。
カンカンに熱した鉄板で焼く、お肉のうまさよ!表面はガリっとハード、中は肉汁たっぷり、そんな魅惑のステーキがいち主婦レベルでできちゃうわけです。
焼けたかな?そんな頃合いを見計らってガシッガシッとステンレスのヘラで裏返す、ハー気持ちいい......!!!
ここで突然ですが、先日行った「いきなり!ステーキ」ごっこの様子をご覧ください。
ご注文はコストコで購入したUSビーフ肩ロース、300グラムですね。
カンカンに熱した turk に入れる瞬間のジューッという音は、美味しさへの福音。
お肉ってほんとフォトジェニック。
バカでかい塊肉を買ったらぜひやってみてほしい「いきなり!ステーキ」ごっこ。
turk を使ってあらためて感じるのは食べ物→焼く→うまいということ。ウホウホホ。(訳:これはすごい原始的追体験だ。)
turkの弱点があるとすれば
油の摂取量が増える
鉄フライパンは、テフロンフライパンと比べると毎回多めに油を使うことにはなります。ケチるな、さすればこびりつかん。※ 炒め物一回につき油の使用量は大さじ2くらい。
わたしは貧乏性なので、劣化してきたテフロンフライパンをだましだまし3年スパンで使ってまして。よくわからん物質(はげてきたテフロン)を摂取してしまうよりかは、油のほうがよっぽど害ないだろ、と思ってます。
スパニッシュオムレツが作れない
turk は鉄の塊、まぁ激重(げきおも)なんです。
大きめのお皿をかぶせてフライパンごとえいやっとひっくり返す、というスパニッシュオムレツのおなじみの工程が恐ろしすぎて恐ろしすぎて、いまだ未経験。
どうしても熱々の turk を持ち上げないといけない時は、普段はこのようにトングを使って補助してます。
こんな料理にturkが使える!
毎日毎日肉ばっかり焼くわけじゃなし、ソテー以外の使い道がわからない......
そんな人にみてもらいたい、なんにでも turk を使ってるわが家の様子。
あーもしかしてむりくり使ってるやつ?
そんなことないない、それぞれ turk の利点を活かしてフル活用しております。
揚げ物
トップバッターは揚げ物。なかでも特筆したいのは、かき揚げが上手にできること。
わたしかき揚げが大の苦手だったんです。
ちまちまちまちま、ばらけないようにって一個づつお世話しなくちゃいけないじゃないですか。天ぷら鍋のフチで手首をやけどしそうになりながらがんばったわりに、結局バラバラになっちゃったりして「フガーー!もう二度とせん!」宣言を何度したことか。
それがですよ。turk だと天ぷら鍋よりも径が広いからいっぺんにたくさん作れるし、すり鉢状になってるから油の中に滑り込ませやすい!
新鮮なにんじんが手に入ると必ず作る、にんじんだけのかき揚げ。
にんじんの引き出された甘さを堪能するためにまず塩で食べていただきたい。子どもも大好物。
親子丼
かけ揚げが大の苦手な反面、わたしがめちゃくちゃ自信あるのが親子丼。
この親子丼は、関西すき焼き風の段取りでつくってみたやつ。まず鶏もも肉をソテーして肉汁を閉じ込めた後、砂糖と酒、みりん、醤油をぶっかけて煮絡めた後に卵とじ。
turk は和食にありがちな炒めてから煮る、といったような炒め煮にもぴったりです。
turk写真日記3 :親子丼の具。関西風すき焼きの段取りで、まず鶏にいい色が付くまで焼いて、砂糖・酒・みりん・醤油を煮からめました。
カレー
そうそう、カレーもいい。turkだと肉をしっかりソテーすることができるし、出てきた肉汁や炒め玉ねぎのソースを余すことなく、カレーへ昇華できちゃいます。
今日のお昼はturkでフライパンカレーよー。ソテーの時にストレスないし、10分くらいで2人前をさっと作れていいわこれ。隠し味には業務用マルちゃん粉末ソース。
餃子
わたしが turk を購入するときに一番懸念していたのが「餃子はキレイに焼けるのかどうか」ってこと。
それでは見ていただきましょう。
例の如くカンカンに熱した turk に多めの油を引き、餃子を並べていきます。
ちなみに、わが家ではこんな風に餃子を“寝かせ焼き”します。
これは「毎週土曜は餃子の日」と決めてるくらい餃子フリークの実家で教わったコツでして、こうすることでフライパンとの接地面が増えて、よりカリカリにすることができるんです。
フタはニトリで買ったやつを無理やり使ってます。みなさんは、turkが28cmだからとフタも28cmを購入してはいけない。ひとまわり小さい径を選ぼう。
しっかり蒸し焼きにしたら、残った水分を強火で飛ばします。
餃子の皮が透けて見える翡翠色のニラにうっとり。
見よ、この理想の焼き色!!
餃子は頑固にこびりつくなんてことはなく、ヘラで軽くこするだけで簡単に外すことができます。
ただの主婦がturkをすすめるワケ
きっと思いとどまっている人は「私には使いこなせないかも...」「高いフライパン、ズボラだしダメにしちゃうかも...」そんな不安があるからだと想像します。
火加減の感覚がつかみやすい
テフロンフライパンのほうが初心者向けと思っていたのですが、 turk を知ったわたしが伝えたいのは圧倒的に火加減の調整がしやすく初心者におすすめということ。
料理をごくたまにしかしない料理シロウトの夫も「turk の方が使いやすい」と言っています。
分厚い鉄板でできた turk は蓄熱性に優れているので、ゆるやかに火加減が追いついてくれる感覚で調理中慌てません。
プロも愛用、と聞くと(ただの主婦には無理よ......)と気後れしてしまうと思うんですが、ただの“焼く”をランクアップさせてくれるturkに限っては主婦や料理シロウトにおすすめ!と断言します。
愚かな人間どもがいくらズボラであってもビクともしない存在、それがturk
錆びさせちゃったら...、傷つけちゃったら...、メンテ間違っちゃったら...そんな心配ははっきり言って野暮。
あのね、turk さんが鉄鉱石時代から考えたら何年鉄やってると思ってんですか。
たとえ家が全焼したとしても、地球に氷河期がきても、核戦争が起きて人間が滅びてたとしても turkさんだけはそこに佇み続ける。諸行無常の響きゼロ。メンテで下手こいて、ちょっとくらいサビがでちゃったとしても、こすっちゃえばいいんだっつの!
人間が怠惰であろうと勤勉であろうと、微動だにしない鉄の塊。
それが turkなのですから──。
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