これは陣痛?...いや違った。
これは陣痛?...いやトイレ我慢してただけだった。
そんな問答を「マンボNo.5」のように繰り返す日々。
受話器を上げたり降ろしたり、産院へ駆け込んだりすごすご帰ったりしながら、
ハァーーーッ ウッ! 秋も深まる11月に無事出産いたしました。
高齢出産を乗り越えてやれやれと思う暇もなく、母体はすぐさま第二形態へと変化。
それまで隠し持っていたひみつアイテム、母乳を装填しはじめます。
それにともない膨れ上がる食欲。「授乳中は食欲がわいて当然」という世間の甘いささやき...。ついつい小腹を満たす何かが欲しくなってしまいます。
とはいえ食欲にまかせて市販のお菓子を食べすぎてしまうと乳腺炎が心配、自分で作ろうにも思うように動かない体。
ああもうこんな時間。元気の有り余ったむすめがもうすぐ帰ってきて「なんかおなかすいちゃったなー」なんていいながら、まとわりつくのだろう─。
そんなわたしを見かねて、夫が立ち上がりました。
「俺がおやつを作ってみるかのう。」
てづくりおやつ① きなこ棒
きなことハチミツがあればきなこ棒が作れるのう。
きな粉棒をつくってるとは思えぬ不穏な動き。これはものすごく不安...!
...普通にうま!
きなこ棒ってウチで作れるんや、知らんかった。
クックルンで見た。
【追記メモ】となりでみてた感じ、蜂蜜はだいたい大さじ1〜1.5。きなこは大さじ4〜5くらいかな。写真からも伝わるとおり、ぎゅっと握りしめた感がすごく出てるビジュアルなので、家族以外に出したらノーセンキューって言われるやつだと思った。でもうまい。熱い日本茶に合う。( むすめの反応 ★★☆ )
てづくりおやつ② 思い出のホット・りんご
りんご1個をくし形に切って、深めのお皿に入れる。ラップをして電子レンジ5分。(好みのショリショリ具合によって、3分〜6分の間で調整してもよい)
俺のかーさんの思い出の味。この滲み出た果汁のジュースがまた人気でな。兄弟で毎回取り合いになっとったんよ。ほら、のんでみー?
...ずずず。
【追記メモ】悲しいくらい、むすめの反応がイマイチだったのですが、わたし的には素材の味そのままで好印象。果物は身体を冷やすというから、あったかくていいかも。煮りんごよりショリショリした食感で食べ応えもありつつ甘さ控えめ。砂糖なしだけどぜんぜん酸っぱくない。( むすめの反応 ★☆☆ )
ちなみに加熱前はこのくらいのボリュームだった。
てづくりおやつ③ マヨネーズじゃりパン
生の食パンの上にマヨネーズを適当にニュルと出して、砂糖を適量ふりかける。スプーンかバターナイフで塗りつけたらできあがり。左官職人になりきって塗りつけるのがコツ。
えっ...(マヨネーズと砂糖?!)
写真に収めると意外と美味しそうに見えて困っています。
わたしが出産入院中、さみしくてしょんぼりしているむすめに「よし、お父さんがおやつを作ってやろう!」とはじめておやつ作りに挑戦したという記念すべきレシピ。
くすんくすん。おかーさんがいい...
じゃあお父さんがマヨネーズじゃりパンを作ったろう。
食べてみ?
(明らかに気がすすまない様子)...ぱく。
ほらおいしいやろ?
...。
【追記メモ】食べた感想は、ハニーマスタードとか甘めのソースのような感じ。ハムやレタスを挟んだサンドイッチにしてもいいかも。( むすめの反応 ☆☆☆ )
あとがき
総じてむすめの反応がいまひとつだったのは、いつものおやつと違う違和感からだったよう。2回目からは小躍りして「おとうさんのおやつ」を喜ぶようになり、今ではホット・りんごの最後のジュースも率先してすすりに行くむすめであります。
夫は台所に立つことに抵抗はないものの、好んで料理するようなタイプではなく、塩コショウで炒めた野菜炒め(のようなもの)が作れる程度。あとうどん。
どれも手の込んだものではないですが、奇をてらわぬ素朴な味。奮闘のすえ出してくれるいびつなおやつたちは、産後のとげとげした気持ちやへこみがちな気持ちをほんのちょっぴり埋めてくれるのでした。
↓かたよりのある夫の料理レパートリー。