「劣化版なんて言わせない!ちゃんと美味しい時短ごはん」シリーズ、第2弾。
今回は、焼くだけでバカうまな「粕漬けのメインディッシュ」に迫ります。
ねり粕との出会い
『旅行みやげを買うなら、地元スーパーマーケットを攻めろ』がわが家の家訓。
酒どころとして有名な京都丹後地方へいったとき、地元スーパーで「ねり粕」に出会いました。
※ねり粕とは...搾りたての酒粕を熟成・糖化させて出来たもの。甘みと旨みが強い。
パッケージごしでも分かる、なんとも甘美で豊潤な香りとまるで白味噌のようなクリーム色の瑞々しい輝き。普段よく目にする、真っ白でカチカチの板状の酒粕とはまるで別物。
(足を止めて...そして嗅いでみて...)そう語りかけてくる、ねり粕嬢。
こんなの素通りするなんて無理!あふれでる唾液は正直です。
もともと酒粕でつくる「かす汁」が大好物で、寸胴鍋いっぱいに仕込んでおやつがわりにするような偏食のわたしたち夫婦。極上のかす汁三昧な様子を想像し、2kg入りを思い切って買ってみることにしました。
(待って...?もしかして2kgまるまる粕汁にするのは、さすがに無理があるんじゃない?)
帰宅後1回目のかす汁の調理中で気付いたカンの鋭いわたし。
かす汁は、むすめにガッツリ食べさせるにはちょっと心配だし...。
※ ちなみにいつもはこうやって、かす汁を楽しんでいます。
粕汁や甘酒を作る場合でも、ねり粕は半生状態で柔らかいため、溶かしやすくてはかどる。
ねり粕で粕床をつくってみた
どうすんだよ、この大量のねり粕...。ということで、
ねり粕のもっともポピュラーな使い道である、粕床に挑戦することにしました。
そして完成した粕床で1〜2日漬けた「粕漬け」。
結論からいうと、簡単なのにこれがめちゃくちゃうまい...!!
特売品のお肉やお魚が、まるで高級料亭で出されるメインディッシュの趣に大変身!
ぎゅっと凝縮された、幾重にも重なってくる深みのある旨み...。
粕床は、なすやきゅうりなど野菜を漬け込めばお漬物として楽しむこともできるのですが、わが家では子どもや妊婦でも安心して美味しく食べられる、加熱調理が必要な肉・魚用として大活躍しています。
粕床のつくりかた
粕床レシピはネットを参考に、ねり粕用に少々アレンジ。ねり粕そのものが、すでにペースト状でもともとアルコール(酒)が入っていますので、日本酒や焼酎といったアルコールの水分を省略しました。
材料
- ねり粕...500g
- 味噌...50g
- 塩...大さじ1
- 砂糖...大さじ5
あとは、大きめのタッパーとヘラ、そして漬けたい肉や魚を用意します。
作り方
1. 材料をすべてぶち込んで混ぜるだけ。これで粕床は完成です。
2. つぎに、漬けたい肉や魚を仕込んでいきましょう。
漬け込み用の具材は、ひとつまみの塩をまんべんなく振って15分ほどおき、表面にでてきたドリップをキッチンペーパーなどで拭き取っておきます。
・・・── なんですが、ここで
「時短ワザ その1〜だってめんどくさい〜」発動!
この日は塩鮭。もともと塩振ってあるだろということで割愛割愛。
その代わりに使用するのは、クッキングペーパー。換気扇フィルターみたいなあのフワフワのやつです。
出てくるドリップも、これでだいたい吸い取ってくれるはず。くるりと一重に巻きます。
減塩度 ★★☆
思い立ったらちゃっちゃとやりたいという気持ちにこたえる度 ★★★
※あまりにツユだくな具材はちゃんと塩を振って下処理しような、わたし。
3. 大きめのタッパーの底にうすく粕床の層を作って、鮭を置きます。またその上に粕床、鮭、を繰り返して最後は粕床でフィニッシュ。
鮭と粕床のミルフィーユ。
しっかりフタをして、1日〜2日ほど冷蔵庫にて漬け込みます。
焼くだけなのに、複雑な旨味を醸し出す特売品たち
4. 食べる当日は焼く前に、具材についた粕床をていねいにぬぐう必要があるのですが、巻いておいたクッキングペーパーのおかげで楽々キレイに取り出せます。
さきほどの「時短ワザ その1〜 だってめんどくさい 〜」は単なる伏線でありまして、
「時短ワザ その2〜 衛生的&取り出し簡単 〜」へと華麗に進化し、活きてくるわけです...!
衛生的な気がする度 ★★☆
取り出しは簡単だけど、ペーパーについた粕を取るとき結局手が汚れる度 ★★★
こちらは漬けて2日目のかつて4切れ¥398だったチリ産の鮭。
粕漬けにすると、見た目にもぎゅっと身が締まったような印象を受けます。
5. あとはグリルやフライパンで弱火でじっくり焼きます。それだけ。
なのに、一流の料理人がこの日のために、てまひまかけてくれたような味わい!
そんな経験いちどもないけどな!
安い鮭は、水っぽかったり油ぽかったりするものですが不思議と抜けていて、凝縮された深みのある味に、白飯が合うこと合うこと。
この日の特売品はカナダ産の豚肩ロース。
見たまえ、この宝石のような熟成2日目の透明感のある輝きを。
これがこう!
いろいろ漬け込み実験中ですが、いまのとこ鮭、豚がダントツ好みです。何より安いし。
ちなみにソーセージなんかもいいらしいです。お弁当やおつまみによさそう!
家計のおたすけ度 ★★★
手抜きバレない度 ★★★
◆
Amazonにも評判のよい、ねり粕がありました。甘酒にも使えるとのこと。
この記事のためにええ感じのタッパーを買いました。
◆過去の「劣化版なんて言わせない!」はコチラ。